労働基準監督署から是正勧告がきた時の対応方法 | 労務問題に強い大阪の弁護士事務所 |咲くやこの花法律事務所

労働基準監督署から是正勧告がきた時の対応方法

労働基準監督署の是正勧告とは、労働基準監督署の監督官が、会社や工場に立ち入り調査を行い、その結果、残業代の不払いなどの労働法令違反の事実が発見された場合にそれを正すように会社に指導するものです。

是正勧告は、「是正勧告書」という書面を交付することによってなされます。この「是正勧告書」には、違反している法律の条項ごとに、是正内容が記載
されています。
また、「この日までに労働法令違反の事実を是正するように」という期日も指定されています。

似たようなもので、「労働基準監督署による指導」というものもあります。こちらは、労働基準監督署の立ち入り調査の結果、法令違反は発見されなかったものの、そのおそれがある事項が発見された場合になされるもので、是正勧告より軽い処分と言えます。これも、「指導票」という書面を交付することによってなされます。

それでは、労働基準監督署の立ち入り調査の結果、労働基準監督官から、「是正勧告書」や「指導票」を交付されてしまったときには、どうすればよいのでしょうか?

是正勧告や指導は、あくまでも勧告・指導であって、それ自体には強制力はありません。

しかし、それはあくまで建前上の話です。

労働基準監督官は、労働事件に関してだけは、警察官と同じ権限を持っています。

そして、労働法違反のなかには、刑罰の課せられているものもあります。刑罰の課されている労働法違反について是正勧告がなされているのにこれを無視して放置しておくと、最悪の場合、会社の代表者や労務管理の担当者が逮捕されたり、刑事裁判にかけられてしまうことになります。

このような最悪の事態にならないように、是正勧告書の交付を受けたときには、是正勧告書に指定された期日までに、勧告を受けた法令違反を是正し、是正した内容を「是正報告書」にまとめて、労働基準監督署に提出する必要があります。

「是正勧告」にまでは至らない「指導」の場合は、法令違反のおそれが発見されただけで、明確な法令違反が発見されたわけではないので、これを放置していたからといってすぐに逮捕や刑事裁判ということにはなりません。しかし、これを放置しておけば、再び監督官が立ち入り調査にやってくるおそれがとても大きいですから、やはり放置しておくべきではありません。

指導についても、勧告と同じように、指定された期日までに指導された内容を改善して、「改善報告書」を作成し、労働基準監督署に提出する必要があります。

このように、労働基準監督署から是正勧告書や指導票を交付されたとしても、それ自体が何か法的な不利益を生むものではありませんので、焦らずに、勧告書・指導票に従って是正・改善を行いその内容を報告するという適切な対応を取ることが重要です。

是正勧告書や指導票を受け取って、何をどのように改善すればよいか、どうすればよいのか、お困りの時には、焦らずに、咲くやこの花法律事務所にご相談ください。